ぎんゆうしじんになりたい男のブログ

キングコングバンディと猪木のボディスラムマッチみたいになってっけどよぉ by 上田晋也(くりいむしちゅー)

映画『ウォーターボーイ』考察

ウォーターボーイ  ※、jock ジョック  nerd ナード
一行文 
 もし弱小チームの救世主が、給水係だったら…
テーマ
 コメディ映画なので、あくまでも弱小チームの快進撃もののパロディである。NERDもので、組織内の弱者が自分の立ち位置を見つける物語だ。
 競争社会の敗者は、ずっと勝利の栄光を掴むことはできないのか、がこのタイプの作品のテーマである。一般的な映画は、主人公が成果をあげるのに努力や葛藤が必要だが、コメディなので主人公が強くなる要因が、本人の努力ではなく怒りのパワーといった隠れた力でとんでもない行動をする。そこが、コメディ映画が一般的な映画と異なる点である。
 おそらく、コメディポイントはチームの一員ですらないウォーターボーイというところで、しかも、本気で選手に給水することにやりがいを感じているところだろう。確か、ウォーターボーイという言葉には、役立たずという意味で使われており、役立たずが忠実に役立たずをしているところが作者が設定したおかしみなのだろう。特に、冒頭で水の種類を複数用意して、立派な容器に入れているところなどが、客へのツカミであろう。
《う~ん、な部分》
 ◎1STTPを経て主人公の見た目が変わるのだが、ユニフォーム姿だけでは弱い気がする。
 ◎主人公の能力が開花する前にキッカーの選手と仲がよくなってはいけないと思う。あくまでも、チームの一員として認められから仲良くした方が主人公が通過儀礼を経たことを客に伝えやすいからである。
 ◎ジョグな女性から好意をおもわせるシーンがあるが、その後の主人公との関係も進展しないので中途半端である。もし、ジョグ女とヒロインが主人公を奪い合うのならば、ヒロインの好意が際立っていいと思うだが。それとも、人気者には誰彼構わず飛び込んでゆくジョグ女のおかしさを表しているのだろうか。
 ◎味方のチームメイトが主人公のことを必要としている感じが伝わってこない。彼はNERDだが、その実力を認めて和解すればいいだけである。だが、主人公に素直になれないJOCKの心情が伝われば、終盤のチームが一つになるときが盛り上がると思う。
 ◎主人公が受動的で行動力に欠けており、生まれ変わろうとする動機が弱い。よって、ストーリーが進行することでの驚きが少ない。客を笑わせることに重点を置いているので仕方ないのかもしれないが。
 動機が弱い主人公の場合は、『シザーハンズ』のように主人公を誘導する仮・主人公(シザーハンズのヒロインの母親)が必要である。この映画は、主人公を誘導する監督自体も行動的な人物ではないので、主人公がうまい具合に行動しないのだろう。

台詞 コメディ映画なので、世間一般がマイナスにとらえる事柄をポジティブに受け入れるのが特徴である。
主人公と母親 母親→主人公 夜、自宅
 あら、ボビーブーシェ帰ってきたのね_ママにキスを→(キスする)
 ずいぶんと、早いのね→それが…
 いじめられたのね、誰にだい(包丁を振りかぶる)→ちがうよ、ウォーターボーイをクビになったんだ。
 いいニュースじゃない。これでずっと一緒にいれるわ→だけど、できることなら他のチームで給水係をしたいんだ
 大声を出さないでちょうだい→出してないよ。_おとめ座は争いごとが嫌いなんだ
 女ね、女の子とは話しちゃだめだっていってるだろう、誰だい→ヴィッキー_ヴィッキーヴァレンコートさ
(中略)
 ____→給水係になりたいんだ。のどが渇いた選手たちを僕の給水で救いたいだけなんだ。
 なのにクビかい。_ボビーあんたは人づきあいが下手なのよ、だから友だちができないのよ、ママ以外にね→____