マッケンナの黄金
はっきりいって冒頭から嫌な予感はしていた。無意味なファーストシーン、銃声を風景カットを切りかえで表現するところなど、はじめからこの映画がクソであることが感じられた。おしまいまで見たが、この映画がクソ映画であることの確認作業でしかなかった。
小説ベースなので、映画シナリオの基本が守られていない。どうやら劇映画のシナリオとは、1,2幕のMPまでに展開したことを第4幕で収束するから、客が最後まで飽きずに拝見してくださるのである。したがって、そのルールを守らずに、新たなハプニングが次々発生しても面白くないのだ。
面白さは、主人公の心情や考え方の変化にあるので、登場人物の心と頭を変化させないできごとは無意味である。
面白さは、主人公の心情や考え方の変化にあるので、登場人物の心と頭を変化させないできごとは無意味である。
1,2幕目でしっかりsetup、sub、お約束が築かれていないので、主人公の目的、行動規範が理解できず、発生したイベントでどうするのか?という興味も湧かず、ただただ長く感じられる。
西部劇の”黄金もの”は、黄金をめぐる醜い人間同士の争いの様相にある。黄金を手に入れてからの思いもよらない裏切りが面白いのに、この映画では黄金を手に入れるまでに時間を費やしてしまい、まったく私の期待に応えてくれなかった。
黄金をめぐる裏切りがテーマでないのなら、黄金を手に入れるまでの道のりに登場人物たちのドラマがなければならないのだが、それもまったくなくシナリオの構成ミスである。
黄金をめぐる裏切りがテーマでないのなら、黄金を手に入れるまでの道のりに登場人物たちのドラマがなければならないのだが、それもまったくなくシナリオの構成ミスである。
ブレイク・シュナイダーが発見したように、映画シナリオは、とりあげるテーマを中心に主人公が1st,2ndTPを迎えて、その心情や考え方が変化し主人公自身にとっての”ほんとうのこと”に気が付く構成にするべきなのだろう。
序盤の宝探しメンバーの紹介シーンも、途中であっさり殺されるぐらいならいらない。ほぼ、メインストーリーにからまないのでいらない。
そもそもファーストシーンがいらない。
良い判定ができるのは、迫力のある映像が撮りたいという撮影部の熱意だけである。