殷王朝から高祖死去まで

　中国史年表　山川出版『中国史』より

　西暦　　　　　　　　　王朝　　　年号
　紀元前１６００年ごろ　殷　　　　湯王　　　商（殷）王朝

　紀元前１０２４年　　　周　　　　武王１１　周軍、殷軍に対して勝利。（牧野の戦い）

　紀元前１０２３年　　　　　　　　武王１２　殷王帝 辛（紂王）自殺し、殷滅亡。

　＊殷から周への王権の移り変わりは、小説『封神演義』の題材となっている。
　
　＊春秋時代のはじまり　
　周の弱体化により王の権威が完全に失墜すると、諸侯の中から国力をもとに王に代わって、天下に号令をかけようとする者、覇者があらわれた。その筆頭に上げられるのが、斉の桓公である。
　紀元前６８５年～４９４年　春秋時代に春秋五覇と呼ばれた五人の覇者がいた。『図説地図とあらすじでわかる「史記」　青春出版』では春秋五覇を、斉の桓公、晋の文公、楚の荘王、呉の夫差、越の勾践としている。
　斉・晋・楚はどの史書もほぼ共通して五覇としている。替わりがみえるのは呉と越であり、その場合は呉の闔閭、宋の襄公、秦の穆公が五覇の内に含まれる。
　会盟とは、おそらく帝を放伐するのではなく、帝の下、既存の王朝の秩序を維持するための会議である。会盟を執り行う議長は、諸侯を圧倒する武力を背景に諸侯を呼び寄せる。議長の下に参集することで、諸侯は議長に逆らう意志のないことを証明され、彼らの序列が決定する。

　斉の桓公→晋の文公→楚の荘王→呉王闔閭→呉王夫差→越王勾践

　紀元前　６５１年　　　周　襄王２　夏　　　斉の桓公、葵丘で諸侯と会盟。　

　紀元前　６３７年　　　　　　１６　　　　　宋の襄公、楚と戦い大敗、死去。

　紀元前　６３４年　　　　　　１９　冬　　　晋の文公、南陽をおさえて中原への足がかりを作る。

　紀元前　６３２年　　　　　　２１　　　　　晋、諸侯を率いて、城濮で楚を大破。帰途で周王を招き会盟。

　紀元前　５９７年　　　　定王１１　　　　　楚の荘王が鄭を囲み晋と戦う（?の戦い）、晋が大破。

　紀元前　５０６年　　　　敬王１５　　　　　呉が蔡唐と楚の都、てい郢を陥落させる。以後、呉が中原の脅威になる。

　紀元前　４９７年　　　　　　２４　秋　　　晋の趙氏が内紛、以後、晋の六卿の潰しあいが始まる。

　紀元前　４９４年　　　　　　２７　　　　　呉越の抗争。一時呉が優位に立ち諸侯と会盟するが、越にほろぼされる。
　↓　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　尚、このころ斉で田氏が台頭し、実権を握る。
　紀元前　４７３年　　　　　元王７

　紀元前　４５１年　　　貞定王２２　　　　　魏・韓・趙が、知氏を滅ぼし、晋を三分する。

　紀元前　４０３年　　　　　安王６　　　　　魏・韓・趙が周王から諸侯として正式に認められる。

　

＊戦国時代は、晋が魏・韓・趙に分割された三晋をはじまりとする見方は少なくない。魏・趙・韓・秦・楚・斉・燕の七国は戦国七雄と呼ばれ、やがて、秦によって天下統一がされ、戦国時代に終止符が打たれる。
　戦国時代から秦の天下統一は、紀元前４０３年～２２１年である。　

　紀元前　３８８年　　　　　　２１　　　　　斉の田候知が周から正式に封建。

　紀元前　３６１年　　　　顕王１４　　　　　秦で考公即位、商鞅を登用して変法を実施する。

　紀元前　３５１年　　　　　　２４　　　　　魏が「夏王」を称する。

　紀元前　３５０年　　　　　　２５　　　　　秦、都を咸陽に造営。

　紀元前　３４２年　　　　　　３３　　　　　魏が周王から「文武の胙」を賜る。

　紀元前　３２９年　　　　　　４６　　　　　楚が斉と連合して越を大破、以後、越は没落。

　紀元前　３１８年　　　　　王赧５　　　　　六国（魏・趙・韓・楚・斉・燕）の合従に成り、六国の軍、秦に迫るが、函谷関で敗退。

　紀元前　３０６年　　　　　　１７　　　　　趙の武霊王、北方騎馬民族の戦法を導入。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　秦で昭王が即位、晩年に蜀郡で大規模に水田開発。

　紀元前　２７２年　　　　　　５１　　　　　このころまでに、秦は氏羌を武力制圧、隴西郡、北郡を設置。

　紀元前　２６４年　　　　　　５９　　　　　秦、周王朝を滅ぼす。

　紀元前　２６０年　　　　　　　　　　　　　秦、長平の戦いで趙に大打撃を与える。

　紀元前　２５５年　　　　　　　　　　　　　秦、余民を抱える周公の国を滅ぼす。

　紀元前　２４７年　　　　　　　　　　　　　秦王政（始皇帝）が即位。

　紀元前　２４６年　　秦　王政元年　　　　　秦、鄭国の指導により灌漑水路を開削。

　紀元前　２２１年　　　始皇帝２６　　　　　斉を滅ぼし、秦が全中国を統一。諸政策を実施。

　紀元前　２２０年　　　　　　２７　　　　　始皇帝、天下巡行開始。以後五回行う。

　紀元前　２１０年　　　　　　３７　　　　　始皇帝、平台で死去。末子の胡亥が即位。

　紀元前　２０９年　　二世皇帝元年　　　　　陳勝・呉広蜂起。以後、劉邦・項羽らも蜂起する。秦末の反乱期に入る。　　　　

　紀元前　２０６年　　漢　高祖元年　　　　　劉邦が咸陽に入り、秦滅亡。懐王を義帝とする。項羽は「西楚覇王」となる。項羽、義帝を　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　暗殺。　楚漢の抗争がはじまる。
　
　紀元前　２０２年　　　　　　　５　　　　　垓下の戦いで、項羽死去。劉邦、皇帝の位に就く。

　紀元前　１９５年　　　　　　１２　　　　　高祖（劉邦）死去。　　　

　

　＊秦に滅ぼされた楚王の末裔として、項羽、項梁らによって担ぎあげられたのが、懐王である。秦滅亡後は、義帝を称するが項羽に暗殺される。