ぎんゆうしじんになりたい男のブログ

キングコングバンディと猪木のボディスラムマッチみたいになってっけどよぉ by 上田晋也(くりいむしちゅー)

バッカニアーズ通信24 俺たちは首位だ WEEK4 WEEK5

 

WEEK4☟

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 開幕戦でセインツに負け、パンサーズ、ブロンコスに勝利したバッカニアーズはWEEK4でチャージャーズと対戦し、なんとか勝利した。

 地区の順位表の頂点に赤き海賊旗が翻っている姿は壮観である。


Bruce Arians' Postgame Victory Speech Following Chargers Game

 

 この試合の主役はブレイディではなく、チャージャーズの新人QBジャスティン・ハーバードであった。

 ハーバードのセールスポイントはなんといってもボールを遠くに飛ばす遠投力である。遠くにいるレシーバーにパスするだけならNFLにQBは誰だってできると思う。ただ、このハーバードは肘を支点にちょっと前腕を振っただけで簡単に50yrdのワイドオープンなパスを投げることができるのである。

 マホームズもロジャースもDEEPに投げるときは上半身全体を使って投げ放つボールに力を与えていると思うのだが、ハーバードのDEEPへの遠投フォームは明らかに異質である。

 私は全身の筋肉をゴムのように扱うスポーツの身体動作ではなく、欧米の運動理論から外れた古武術の理論で俊敏な動きをみせる武道家の姿をハーバードに見た気がした。

 実際にチャージャーズにリードされたときは負けるんじゃないかと思った。驚異の遠投力を持ち、それに警戒した相手D#にスクリーンパスを決めて大幅にヤードを稼いでいくハーバード。BUCSのD#が裏をかかれて翻弄される様は見ていて歯がゆかった。どうすればこのQBを攻略できるのか。DEEPかと思ったらスクリーン。スクリーンかと思ったらDEEP。……本当に負けるかと思った。

 しかし冷静ハーバードのプレイを考えてみるとこのQBはDEEPかスクリーンのほぼ2択でエンドゾーンを目指しているようであった。というか2パターンしかできないのではないか。たまたまだと思うがベンチで一人座るハーバードにOCが駆け寄ったり、作戦担当のアシスタントと談笑している様子がない。ひょっとしたHCから限定的なプレイしか許されていないのかもしれない。

 個人的には名軍師のトッド・ボウルズが出したハーバードへの対応策はLBを一人中央に残しておいてハーバードがDEEPへのパスを選択しなかった場合のスクリーンやRBへのラテラルパス(横パス)に備えるというものであった。

 この策が功を奏して、チャージャーズO#の勢いを削ぐことに成功してなんとかバッカニアーズが試合に勝つことができた。

 

 この試合でバッカニアーズがパスプレイをコンパクトにつないで速くタッチダウンを奪うこともできることが示せたし、バッカニアーズD#が試合に柔軟に相手O#に対応できることも明らかになったと思う。

 どうやらブレイディ・バッカニアーズはワイドオープン要員としてミラーとOJを起用する方針らしいが、そのOJがこの試合で負傷してしまい長期離脱が余儀なくなった。

 

 この試合で特に考えさせられたのが、チームのエースレシーバーについてである。

 どうしても獲らなきゃならないヤードがあるとき、ここで必ずTDが欲しいとき、QBはエースレシーバーにパスを投げる。パスを投げる、ボールを受け取るという行為に結ばれたQBとエースレシーバーはチームの得点源を支えるために必要不可欠な存在である。

 一人の観客として試合をみているとき、これからどうなるんだろうという場面があればあるほど試合は盛り上がっていると思う。この見ていて盛り上がるということがプロスポーツにおいては欠かせないものである。プロスポーツはハイスペックな選手を集めて闘わせることで観客から観戦料を頂戴する商売ならば、プロスポーツNFLにおいてお客さんを満足させつつ、試合にも勝つというプレイヤーとオーディエンスの両面から満足させるものとしてエースレシーバーはチームに欠かせない存在である。

 テキサンズはWEEK4を経てHC兼GMのオブライエンを解雇した。開幕4連敗したことはHCとして、なによりもエースレシーバーのホプキンスをトレードに出したことはGM失格である。チームが勝つために、お客さんを満足させるためにエースレシーバーのホプキンスを放出することなんてありえないのに、どうしてオブライエンはそんなことをしたのか。どう証言してもオブライエン自身が悪玉になる以上、彼が真相をみんなに告白することはなさそうだ。

 ただ、自分が去ってもそこにあり続けるであろうチームのために行動することができなかったオブライエンのあわれな最後であった。

 

 Tom Brady named NFC offensive player of the week

 ブレイディがWEEK4のオフェンス部門の優秀選手に選ばれました。 

 

 Joey Bosa: Tristan Wirfs is a good player, will be a great player

 チャージャーズのジョーイ・ボッサがバッカニアーズのトリスタン・ウィルフス(ポジション:タックル)を誉めてくれました。

 

 次節WEEK5でブレイディ・バッカニアーズに立ちはだかるのはベアーズ。

 そして、……あの男がブレイディの前に再び立ちはだかる。

 その男の名は”憎っきフォールズ”(ニック・フォールズ)。

 

 

WEEK5 鷹堕ちて ふたたびあがらず 聖人と黒豹が立つところ 海賊旗あり

 

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 互いに決め手に欠ける試合だった。先制したのはバッカニアーズだったが、それでも不穏な空気が張りつめていた。見ていてこのままではきっと終わらないだろうという予感はしていた。

 たしか第3Qだったと思うが、敵陣30yrd付近ここでTDなら試合の流れがバッカニアーズに傾き完全に有利だった。しかし、拮抗した試合の空気に耐えられなかったのかCのジェンセンを中心にOLに対してイエローフラッグが次々に投げ込まれ、気づけばフィールド中央から1st down 27?という目を疑う事態になってしまった。結局、パントするしかなくその後の流れは徐々にベアーズのものになってしまい試合終了。バッカニアーズはベアーズに負けた。

 いつものスロードライブからはじまったブレイディのO#。ベアーズD#に対応されはじめたので、チャージャーズ戦で展開したワイドオープンで一気にヤードを獲得するハイウェイドライブに移行するも、レシーバー陣との息が合わずあえなく失敗。 以降はなんとかふんばったプレイで少しづつヤードを獲得していったのだが、OLが自滅……。一の矢、二の矢が通りづらい、ならば三の矢を通して試合を優利に進めてきたペイトリオッツ時代のようにはうまくいかなかった。

 D#陣はチャージャーズ戦でDEEPゾーンの弱さ、パスデフェンスの弱さが露呈したが、後半にD#のシフトをパスデフェンス重視にすると思いのほかフォールズのパスは通らなかったと思う。

 最後にFGを決められダメ押しをされたが、バッカニアーズD#としては絶対にTDされてはいけない状況なのでデフェンスバックは相手レシーバーに抜かれてはならないので引き気味に守らざるを得ず、その分空いた手前のスペースに楽々とパスを通されてしまった。そうなるような展開にしてしまったO#が悪いのでD#陣を責めることはできない。

 ブレイディは4thdownが終わってもサイドラインに下がることなくイエローフラッグを受けた。後のインタビューでバッカニアーズHCのエイリアンは、ブレイディが4thdownを3drdownと勘違いしていたんじゃないかと尋ねられたが、それを否定した。

 おそらく、ブレイディにとってあまりにも悔しかったのでサイドラインに下がりがたかったのだろう。少なくとも勝てない試合ではなかった、そんな思いがブレイディを試合中のフィールドから離さなかったのだろう。

 これだけ執念深いから勝ってきたんだろうし、それだけ悔しいから次に戦ったときに負けないように練習に励むブレイディの姿を想像するとNFLでこれだけ活躍できる理由が窺える気がした。

 

 

 Vita Vea believed to have broken ankle

 DLのヴィタ・ヴィエが踵をやっちまった模様。今シーズン中の出場は無理かな。

 

 WEEK6は毎年強いグリーンベイ・パッカーズと対戦。この試合に勝って強さを示せないようならプレーオフに進出できないと思う。ただ勝ってほしい、それがファンの願いです。 

 

 GO!BUCS