ソシュール 差異ってなんだ?
スイスの言語学者ソシュールの構造言語学は現代思想に大きな影響を与えた。ソシュールによる言語学では人間は言語(ラング)という制度の中で思考していると考えた。
”言語(ラング)という制度の中で”とは、”それぞれの国語の中で”という意味である。たとえば、日本人は日本語の中で、フランス人はフランス語の中で思考しているわけである。となると、思考は言語によって制限されるから使用している言語によって様々な制限が生じる。
”言語(ラング)という制度の中で”とは、”それぞれの国語の中で”という意味である。たとえば、日本人は日本語の中で、フランス人はフランス語の中で思考しているわけである。となると、思考は言語によって制限されるから使用している言語によって様々な制限が生じる。
たとえば、日本語では蝶と蛾という言葉があるから両者を区別できる。フランス語ではどちらもパピオンであり、蝶も蛾もおなじ言葉を用いる。
存在するものが初めから分かれているのではなく、言語によって区別が生じている。ソシュールは、言語があるから様々なものが区別できると考えた。
対象となる存在があって、それに対応する言葉があると考えるのではなく、四つの足でしっぽをもっていてワンワン吠える動物がたくさんいたとしても犬という言葉しかなければすべて犬である。ところが、犬だけでなく山犬、狼という言葉があるから区別がなされる。
言葉があることで、世界観が形成される。このように言語による区別が先にあって、次に対象の分類、認識などが生じるという仕組みを”差異の体系”と呼ぶ。
これによって、人・時・所を選ばない絶対的真理の認識を全人類はできるのかという疑問が生じる。真理は、全人類の誰であっても共通するものと考えられてきたからである。共通する概念が本然的に異なるのであれば、近代哲学が追い求めてきた真理が存在しなくなるからである。
存在するものが初めから分かれているのではなく、言語によって区別が生じている。ソシュールは、言語があるから様々なものが区別できると考えた。
対象となる存在があって、それに対応する言葉があると考えるのではなく、四つの足でしっぽをもっていてワンワン吠える動物がたくさんいたとしても犬という言葉しかなければすべて犬である。ところが、犬だけでなく山犬、狼という言葉があるから区別がなされる。
言葉があることで、世界観が形成される。このように言語による区別が先にあって、次に対象の分類、認識などが生じるという仕組みを”差異の体系”と呼ぶ。
これによって、人・時・所を選ばない絶対的真理の認識を全人類はできるのかという疑問が生じる。真理は、全人類の誰であっても共通するものと考えられてきたからである。共通する概念が本然的に異なるのであれば、近代哲学が追い求めてきた真理が存在しなくなるからである。
注、その国の言葉には、その国の歴史と文化が蓄積されている。だから、言葉狩りをするべきではない。
以下のことはメモ、
なにが人の考え方や行動規範に差が生じさせるのか。それは、言語が異なるからである、という差異性が西洋哲学が出した答えである。
育ちや環境といった後天的なものではなく、自意識を構成するための言語という変更ができないものが深く関わっているからである。
【参考文献】
超訳 哲学者図鑑 富増章成
超訳 哲学者図鑑 富増章成
哲学概論 西田幾多郎
日本の無思想 加藤典洋