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キングコングバンディと猪木のボディスラムマッチみたいになってっけどよぉ by 上田晋也(くりいむしちゅー)

マキャヴェリ 信用ならない人間達の中で信用できる秩序を確立するには

 マキャヴェリは政治から宗教や道徳を切り離して冷酷な原理で国家の政治を執り行うべきとした。
 当時の共和国や君主国の理想は、プラトン哲人政治の影響を受けイデア論を基礎にしていた。だから、君主はイデア論に則った政治が求められた。
 プラトンは世界を2つの世界、イデア界と現象界に分けた。彼の弟子のアリストテレスは、「人間は本性的にポリス的動物である」とした。
 人間はより善く生きるために、自然共同体を組織する本性をもっているとしている。両者ともに、人間は善いイデアに照らし合わせた行動をとるのではないか、という性善説的な考えがある。
 マキャヴェリは、利己的な存在としての人間の世界で秩序を維持するには、なんらかの国家の強制力が必要であると考えた。
 アリストテレスのコミュニティ的な国家像に対して、マキャヴェリはトップのリーダーが力を握る国家像を理想とした。
 国民は被害を受けないように法律を作り、その法を犯すものに刑罰を科すことを定める。マキャヴェリはここに正義の起源があると考えた。だから、国民は君主を選ぶときに思慮に富み、正義感の強い人物を求める。人々はパワーのある指導者を求めている。
 君主は、国民に理想的な人物であると見せて、場合によっては、善のイデアによらない断固とした行動をする必要があるとした。でなければ、利己的存在の人間たちの中で秩序を保つことが難しいからである。
 
 注、イデアというよりも教会の教義が設定した理想的な人物である必要はないということであろう。

【参考文献】
 超訳 哲学者図鑑 富増章成
 哲学概論 西田幾多郎
 日本の無思想 加藤典洋